美しいものに心惹かれる気持ち、美を感じる気持ち、美しさの秘密や秘訣を知りたいと思う気持ちは、人間が持つ本質的な欲求だと思います。

クリエイター、カメラマン、デザイナーなどの仕事に就く人は、より「美」と向き合うことを仕事として選んでいるわけですが、本来「美」とは、彼ら彼女たちだけに求められる特別な感覚ではありません。Apple社初期にマウスを生み出した、米国カリフォルニア州に拠点を置くデザインコンサルティングファームの創設者は、「どんな人も自分の中に創造力を持とう」とメッセージを発信しました。そう。クリエイティブな感性を持つことは、特定の仕事にのみ必要とされるのではなく、誰もが美しいものに惹かれるように、私たち一人ひとりの内から湧き出てくるものなのだと思います。

たとえば、自分の家を整え、庭を手入れし、家の前の道を掃き、好きな衣服を身につけて、好きな家具や器を選び、好きな本を読むことも、すべて「美を創り出す」こと。季節の野菜を選んで今夜のメニューを考えることも、職場のエントランスに花を一輪選んで飾ることも、自分の感覚で「美」を選び取ること。

磨かなければ鈍くなってしまう「創造力」は、日常の中から始まっています。私たち一人ひとりの人生の中にこそ、美しさに心惹かれる楽しさを持ち続けていたいものです。