穏やかな毎日を送ることは心にも健全だし、トラブルは出来ることなら起きないほうがいい。ストレスだってないに越したことはない。けれど、時には、乗り越えなければならない山が目の前にそびえ立つこともあります。汗をかきながら登り、心地よい緊張感を味わったその先に何が待っているのかを想像しながら、挑むべきか挑まざるべきかを考える。

自分の「できること」の範囲を少しだけ広げなければならない局面。これは、たまにやってきます。自分が「やったことのないこと」に挑まねばならない局面。これも、ちょくちょくやってきます。さらに、「苦手なこと」を克服しなければならない局面。大変だけれどこれも度々やってくるのです。どの場合だとしても、そのしんどい山を登りながら何のためにやっているの? と自問自答したくなります。そして、もう一人の自分や、時には周りの人が囁きかけてきます。やめたら楽になるよ? と。

けれど、同時に、小さくても高くても、その山を登りきった時にこそ見える景色があることを、私たちはおぼろげに感じています。山を目の前にした時に望ましいことは、まだ成長できる伸びしろがあることを、自分の中に認める勇気なのだと思います。あと一歩、あゆみを進めたら、頂上から眺められる景色がさらに広がるはず、と。

そんなことを考えると思うのです。穏やかな日々の中にも、小さな挑戦があるのが、よいなあと。そして、緊張感を持って自分に問いかける横顔が見たい。落胆する横顔も、悔しそうな横顔も、諦めずに進む横顔は、きっと美しいから。