ものを失くしてしまったり、ものが壊れてしまったりすると、自分の不注意を悔やみ、もっと大切にしておけば良かったと落ち込むことがあります。思い出が込められている品や、長年愛用していた馴染み深いものほど、旅立っていく時はあっけなく、その一方で余韻がいつまでも残ったりします。

ある時、失くしものをして落ち込んでいたら、「失う日が来るから、大切にできるんだよ」と教えてくれた人がいました。永遠に同じ関係や同じ形である、ということはあり得ないこと。生活を取り巻くさまざまなもの、たとえば洋服、メイク道具、バッグや靴、うつわやインテリア、ものに限らず、場所や空間、人間関係もまた常に変容し、入れ替わり続けていることに気がつくのです。今の自分の気持ちと、周辺の変化、時代の流れが少しずつ動いているのがわかります。

両手に荷物を持っていたら、ボールが飛んできても受け取れないように、スペースに少しの余白があるくらいのほうが、新しい出会いがやってくるもの。あなたのスペースには余白があるでしょうか? 時には感謝して何かを手放すことは、そこに新しい風が吹き込みはじめるスタートラインかもしれません。季節はもう春、新しい出会いの季節です。