京都に行くと、必ず立ち寄る老舗の道具屋さん。
そこのご主人の包丁を研ぐ後ろ姿が、なんとも美しい。

お年はたしか、もうすぐ80歳の男性である。
背筋をぴんと伸ばして、自分の手先に集中して、一心不乱に研いでいる。
聞けば、そのお方、家でも毎日包丁を研ぐという。

「顔を洗ったらさっぱりして気持ちええやろ? 
道具も同じ。きれいに手入れしたら喜ぶはずや」

自分の食べるものをこしらえるための台所道具。
それを整えるということは、自分を整えるということ。
道具を大切にしている人は台所もきれい。
その人もきっと美しいはず、
という言葉を聞いて
身が引き締まる思いがした。

それ以来、私もできるかぎり毎日、包丁を研いでいる。
いや、包丁だけでなく台所全体をピカピカに磨き上げている。
美しい台所で料理をすると気分がいい。
知らないうちに背筋がぴんと伸びて、ささいなことに気づく心ができあがる。

菜っ葉の生きのよさ、ていねいにとった出汁の味わい、
風のにおい、湿った土を踏みしめる時の足の感覚、
大切な人のちょっとした仕草のちがい、鳥のさえずり、
自分の体の声……
それは家の中だけではなく、私をとりまくものすべてに通じるような気がする。

だから今日も、朝起きたらまずは顔をじゃぶじゃぶ洗って、台所に立ち、包丁を研ぐ。
背筋をぴんと伸ばして。

時々、心が少しざわつく時もまた包丁を研ぐ。
それから冷蔵庫とパントリーにある野菜をかたっぱしから細かく切ってスープを作る。
何も考えず、ずっと料理に向かっていると、ざわついていた心は次第におさまって、
できあがったスープを飲む頃には、いつもの自分に戻っている。

この時に思い浮かぶのは、京都のあのご主人の笑顔だ。
年齢や性別などは関係ない。
どう生きてきたかは美しさとなって、その人を表す。

自分に正直に、ていねいに向き合ってきた人だけが出せる美しさは、
私が最も憧れる美しさの形なのかもしれない。

beautyrelay

2017.April.20(Thu)

– THREE QUESTIONS –

Q1 人間としての「美しさ」は、どんなところに表れると思いますか?

A1 自分に正直に生きているということ。

Q2 パーティーのときや大切な人に会う前日など、「美しい自分でありたい」オケージョンの際に、必ずとる行動や習慣は?

A2 前の日はきちんと睡眠をとって、体調を整えます。
当日は身だしなみを整えたら、気に入りの香水をほんのりと。
それからアイロンのかかったレースのハンカチをバッグにしのばせて。

Q3 THREEのイメージと、お気に入りのアイテムは?

A3 作っている方たちが本当に好きで必要としているから、THREEの商品ができあがったのだろうと、使うたびに思わせる嘘のないブランドだと感じます。
お気に入りはハンドソープと、シャンプー&コンディショナー。香りもたたずまいも穏やかでさりげないところが好きです。




伊藤 まさこさんのお気に入りアイテム一覧

・THREE ハンド&アーム ウォッシュ AC
・THREE スキャルプ&ヘア リファイニング シャンプー
・THREE スキャルプ&ヘア リファイニング コンディショナー