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#038_2「エシカルな暮らしQ&A」

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心地よく丁寧な毎日の選択として、「エシカルな暮らし」についてお届けしている今月のFeatures。1回目の「エシカルという選択」に続き、今回は4つのQ&Aを通して、エシカルな選択の実践方法、そしてエシカルな選択の意義を考えていきます。

〈お話を伺った人〉 末吉 里花さん
一般社団法人エシカル協会代表理事、フリーアナウンサー。レポーターとして世界各地を旅する中で、環境問題や人権問題に関心を持ち、現在はフェアトレードやエシカルを中心に活動を展開。講演やセッションを通して、社会におけるエシカルな行動システムの構築に携わる。近著「はじめてのエシカル」(山川出版社)

Q1
「エシカルな暮らし、
何から始めたらいいですか?」

A 「まず、今あるものを大切に使い続けること。そして無駄をなくすことから考えてみましょう。ゴミを減らすことを意識してみるだけでも、買い物袋をもらわない、容器詰め替えの商品を選ぶなど、日常の中でできることは結構あります。
次に、環境に優しい洗剤や、再生紙、FSCマーク(森林認証ラベル)のついた紙製品、フェアトレードのチョコやコーヒー、地元の野菜や特産品など、日常の買い物にエシカルな視点を取り入れてみてほしいです。」(末吉さん)

そして何より、物を買うときや選ぶときに、それは本当に必要なのか、それはどうやって作られたものなのか自問して想像することが、エシカルな暮らしの第一歩であると末吉さんは言います。


Q2
「エシカルな商品は高くて、
手が出しにくいのですが……」

A 「今の世の中、ファストファッションの洋服をはじめ、安すぎるほど低価格なものが溢れています。なぜそんなに安いのか、そこには悲惨な現実が隠れていないか、そんな疑問の目を持つことも大切です」と末吉さん。
製造の背景を支える必要性を感じたら、エシカルな商品は“高い”のではなく“適正価格”であるという価値観が生まれるかもしれません。

「私が持っているエシカルな商品は本当に丈夫なものが多いですし、何より一つ一つにストーリーがある点が素敵だなと思います。もちろん自分が好きなデザインや品質であることは大前提ですが、持つことで生活が楽しくなるような商品の個性を求めて、今ではエシカルなものにばかり手が伸びるようになりました。本当にいいと思ったもの、必要なものだけを買うようになり、ムダも減ったと思います」(末吉さん)

また、洋服やジュエリーに比べて購入しやすい食料品や日用品、売り上げの一部をチャリティに回すキャンペーンの商品など、自分に無理のないエシカル消費でも、十分に実行する価値があります。


Q3
「買おうとしている商品が
本当にエシカルなのかを見極めるには?」

A 「第三者機関が発行している認証マーク(1回目でその一部をご紹介しました)は、その商品がエシカルか否かを判定する基準と考えることができます。とは言え、認証マークがなくてもエシカルな商品はあります。私は商品を買う時に、それがどうやって作られたのか、どんな思いを込められているのか、売り場の人に聞ける場所で買い物をすることが多いです」

また、「エシカル消費は商品を手にしたところで終わりではなく、継続的に繰り返すこと、さらにはその結果を見届けることが大事です」と末吉さん。

難しいことですが、何事にも良い側面と悪い側面があるもの。私たち消費者が、ものを選ぶ目を養うこと、自分たちの選択の行方を知ろうとすること、それもエシカルな行動の一部と考える必要がありそうです。


Q4
「エシカル消費に興味を持ちました。
でも、自分一人の小さな買い物が
世界を変えるとは到底思えません」

A 一個人の努力では、地球や社会に与えられる影響なんてゼロに近い?「ところが、そうでもないのです」と末吉さん。
日本のGDP(国内総生産)の中で個人消費は約6割もあり、一人ひとりの購買力はとても大きな力を持っています。責任ある消費者としてエシカルな商品を選ぶこと。そして、その考えを身近な人に伝えてみることは、小さくても確実な一歩です。


「さらにもう一歩踏み出すなら、消費者の立場から企業へエシカルな商品の取り扱いを要望してみましょう。たとえばスーパーに『フェアトレードのコーヒーを置いてほしい』『認証マークがついた生鮮食品や洗剤を置いてほしい』というリクエストが集まれば、企業は変わらざるを得ず、エシカルな選択ができる環境が整っていく展望が見えてくるはず。

一羽の蝶の羽ばたきが地球の天候に影響を与える“バタフライ・エフェクト”のように、一人の行動は大きな変化をもたらし得るのです」(末吉さん)


利益や利便性があまりに優先されている、現代の消費社会。その結果生じている問題に対峙せざるを得ない今、「『エシカルな選択をしない』という選択肢はもはや無い」と末吉さんは言います。
「だからと言って、100%エシカルな生活を送ることはほぼ不可能。自分にとって可能な行為の中から、最善のものを選択すること、それが私たちにとって現実的なエシカルな暮らしなのではないでしょうか。無理をせず等身大のエシカルライフを始めてみませんか?」


次回は、そんな末吉さんが「毎日の生活を愛おしくしてくれるもの」と愛してやまないエシカルアイテムをご紹介します。どうぞお楽しみに!





参考文献:はじめてのエシカル/末吉里花
取材協力:末吉里花(一般社団法人エシカル協会代表理事)